寒冷地で暮らす上で考えなければいけないのが「暖房費」。
今回は賃貸マンションでタイトルの暖房器具だけで北海道の冬を越せるか実際に検証しました。
実際に掛かった費用などを紹介します。
暖房器具を検討中の方、この器具の使用感を知りたい方の参考となれば幸いです。
検証の経緯
筆者が今の家に引っ越したのは2023年の夏頃です。
引っ越しをした理由のひとつに、前の家の暖房費があります。前の家の暖房事情は、24時間使い放題の代わりに金額がめっちゃ高いというものでした。
平日日中は仕事で家にいないことが多いためこの方式ではもったいない感じがしていました。
ちなみに月の暖房費は給湯費込で35,000円程度でした。(平日日中も家に誰かがいる場合、逆に割安だったかもしれません)
そんなわけで新居では暖房費を抑えることを目標の一つとしていました。
次の章では暖房器具の選定について記載します。
暖房器具の選定
家賃などから新居の第1候補となった物件で使用できる暖房方式は主に下記のものでした。
・煙突式灯油ストーブ
・対流型灯油ストーブ
・石油ファンヒーター
・電気ストーブ
(FF式灯油ストーブは建物に給排気用の穴が空いておらず使用不可でした)
この内、石油ファンヒーターと電気ストーブは暖房能力的に全室を1台でまかえるようなものがなかったため、自ずと煙突式と対流式の2択となりました。
ここで2つの暖房器具の違いを簡単に紹介します。
煙突式灯油ストーブ
ストーブ自体に煙突がついており、集合煙突などにつなぎ排気を外に排出するストーブ。
強制的に排気を行えるため、一酸化炭素を室内に出さず安全な方式です。
対流型灯油ストーブ
煙突式との排一番の違いは煙突がないこと(当たり前ですね)。
つまり排気時に発生する一酸化炭素、水蒸気などを排出するため定期的な換気が必要になります。
これらの特徴を踏まえ、筆者は対流型灯油ストーブを選択しました。
対流型にした一番の理由は、どんな場所でも使える汎用性の良さ・値段の安さです。
汎用性が高いということは、引っ越しても次の場所で使える、売る際も買い手がつきやすいと考えました。
また、値段も煙突式と比べると安いです。
後述するトヨトミのKS-67Hは2024年3月現在税込み30,000円程度。
(暖房目安:木造17畳、コンクリート(集合)24畳程度)
一方、煙突式で上記機器と同程度のコロナのSV-7023PKは税込み200,000円程度。
(暖房目安:木造18畳、コンクリート(集合)29畳程度)
また、煙突式の場合煙突の設置は業者似頼むのが一般的で設置費に別途費用がかかるのもネックです。
トヨトミ KS-67Hとは?
そんなわけで、筆者は対流型灯油ストーブのトヨトミ KS-67Hを購入しました。
機器概要は下記の通り。
メーカー:トヨトミ TOYOTOMI
機種:KS-67H(B) ブラック
暖房出力 | 乾電池別売 | 寸法(置台を含む) 高さ×幅×奥行き(mm) | 質量(Kg) | 燃焼継続時間(約・h) |
---|---|---|---|---|
6.66kW | 単2(4本必要) | 583X482X482 | 11 | 9.7 |
購入の決め手は、暖房能力と見た目です。
暖房力能力について後述しますが検証した部屋は鉄筋コンクリート造(以降、RC造)の間取りは3LDK(LDK10畳程度+6畳✕3室)です。
KS-67HはRC造では24畳程度の暖房能力があります。
これだけの暖房能力がありながら30,000円程度で新品で購入できるのは改めてすごいと感じます。
見た目については完全に主観の話になってしまいますが、フォルムが好きです(´艸`)
ちなみに色は、通常カラーで白と黒がありますが筆者は黒にしました。(購入時、白のほうが5,000円程度安く買えたんですが、部屋の色合いを加味し黒にしました。)
検証開始
まずは、どういう環境下で検証を行ったかを記載します。
使用環境
建物概要:昭和54年建設(築45年)RC造5階建ての5階
間取り:3LDK(LDK10畳程度+6畳✕3室)
使用期間:2023年12月~2024年3月
外気温:下記の通り
(引用元:気象庁ホームページより)
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=14&block_no=47412&year=&month=&day=&view=a1
12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
平均気温 | -0.7 | -1.8 | -1.9 | 0.5 |
最高気温 | 2.2 | 1.1 | 1.5 | 3.9 |
最低気温 | -3.7 | -4.9 | -5.1 | -3.1 |
その他:暖房器具としてこたつあり。
一冬使ってみての感想
結論、余裕で快適に一冬越せました( ᐢ˙꒳˙ᐢ )
ただし、使っている中で注意点など気づいた点もありますので、いい点と悪い点に分けて記載していきます。
いい点
・コスパがいい(イニシャルコスト・ランニングコストに対して暖房能力が高い)
今回使用した部屋の広さはLDK10畳程度+個室6畳2部屋(本来個室は3部屋ありますが、1部屋完全に使わず締め切っていたため含めず)でしたが、最低気温-10度のときも全く問題なく使用できました。
また、暖房出力が高いため5分経てば部屋が温まるのも早朝使用時などには魅力的でした。
ランニングは毎週コンスタントに灯油20L を給油していたため、1週間で約2000円、一月で約9000円程度でした。
・シンプルな操作性
操作するツマミは2つしかないので操作がめちゃシンプルでわかりやすいです笑
しかもその内1つは緊急用の消火レバーなので実質1つのツマミしか使いません。
着火・火力調整・消火をこの1つのツマミで操作できます。
・自由に持ち運びできる
機器自体壁等に固定されているわけではないので、引っ越しても再使用可能です。
また、災害時にも灯油さえあれば好きな場所に持っていき、暖を取ることができます。
・ストーブの上で調理可能
このストーブの醍醐味と言っていいと思いますが、ストーブの上で調理が可能です。
こころなしかストーブの上で焼いたものはより一層美味しく感じます(´艸`)
干芋を焼いたりお菓子やパンを焼いたりしました。個人的にはベタですがやきいもがオススメです!
悪い点
・燃料タンクの容量がやや少なく取り外し不可
この機器の灯油タンクの容量は6.3L。一方、最大燃料消費量は0.647L/h。
つまり、最大火力で炊き続けた場合、約10時間しか持ちません。
ただし、一冬使ってみて1日に2回給油したことはないため、そこまで不便という程でもありませんでした。
(気温-10度の真冬日に1日家で過ごしても、ずっとストーブを点けていると逆に熱くなってしまうため約2時間おきに消していました。)
1日持つので特に問題はないが、給油頻度が増え、やや面倒なのでデメリットとしました。
また、燃料タンクは本体内蔵式なので、灯油缶をストーブのそばまで持ってきて給油する必要があります。
・点火音がうるさい
このストーブは真ん中にあるつまみを回すことで点火する方式となっています。
この際、「ピー」というビープ音が鳴ります。安全上の仕様かと思いますが、ややうるさいです。
・リモコン・タイマーがない(朝ストーブのそばまで来て火を付ける必要がある)
これはデメリットというよりあればより良いというものですが、このストーブは遠隔操作や時間設定で点火できません。
この点については、安全上改良は難しいのかもしれません。
・適宜換気が必要
排気時に発生する一酸化炭素、水蒸気などを排出するため定期的な換気が必要です。
1時間に5分程度を意識して行っていました。(結構忘れがちになります。)
ちなみに一酸化炭素チェッカーを天井付近に固定していましたが、一度もなりませんでした。
・ペット/子供不可
このストーブの一番の弱点といってもいいかもしれません。
圧倒的に暖かい分、触ると危険です。
取扱説明書に記載の通り、部屋の中央に配置することを推奨しているため動線と干渉する可能性があります。
小さい子供や犬、猫などがいる家庭では注意が必要です。
(ストーブガードを置くなどの対策も可能のようです)
下記、取扱説明書です↓
https://www.toyotomi.jp/manual/operation/KS-67H.pdf結論:トヨトミ KS-67Hで一冬越せる!
筆者は、実際に北海道の冬をこのストーブで過ごして大満足でした。
最後に、ランニングコスト・イニシャルコストと集計結果の公開し、
その他、合わせて購入すると利便性が上がる商品を紹介して終わりにしたいと思います。
一冬でかかった費用
【初期費用】
ストーブ | 28,400円 |
灯油缶(20L✕2) | 2,000円 |
灯油ポンプ | 1,200円 |
五徳 | 1,000円 |
一酸化炭素チェッカー | 3,000円 |
計(税込み) | 35,600円 |
【燃料費用】(ややざっくりした計算となります)
灯油単価:平均単価102円/Lで計算
給油頻度:週1度20Lを給油
給油期間:11月第1週~4月最終週まで
102円✕20L✕27週間 = 55,080円
55,080/6ヶ月 = 9,180円/月
【総計】
35,600+55,080 = 90,680円
合わせて購入すると便利なもの
加圧式灯油ポンプ 工進(KOSHIN) ポリオート PK-21
灯油缶からストーブに給油する際に使用するポンプです。
灯油缶に固定できるので、取り外し必要がなく手元レバー式で手軽に給油できます。
また固定式なので灯油の匂いも少なく済みます。
五徳 コーナン KG23-9518
ストーブの上で調理する際に使います。
コーナンのKG23-9518がジャストフィットするためおすすめです!
扇風機(サーキュレーター)
ストーブの暖気を室内に拡散するために必要です。
実際、扇風機を使わないと暖気が天井付近にたまり熱効率が悪いです。
筆者はサーキュレーターの購入をケチり、扇風機で代用しましたがその効果を実感しました。
具体的には、天井付近に設置した温度計の温度が、扇風機のあり・なしで10度程度違っていました。
一酸化炭素チェッカー
命に関わるので、設置をおすすめします。
(使用期間中、アラームが鳴ることはありませんでした。)
機器選定の判断が難しいため、筆者は日本製のもの検討しました。
参考に購入した商品の品番を記載します。
ブランド:KIUP 品番:BJQ-1
(写真:上が温度計、下が一酸化炭素チェッカー)
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